字幕のない世界

イギリス留学を経て国際結婚した筆者が語る、英語と映画と海外の話。

「女王陛下のお気に入り」The Favourite


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おすすめ度 : ★★★★★★★★☆☆8

 

こんにちは、ジェシカです😄

ご訪問ありがとうございます✨

 

私は毎年アカデミー賞を楽しみにしている映画ファンのひとりです🎦

 

今年はイギリスの女優、オリヴィア・コールマンが主演女優賞を受賞しましたね。

イギリスは私の第二の故郷なので、イギリス人が称賛を受けると嬉しくなります🎵

彼女のスピーチはユーモアに溢れていて可愛らしく、今年最高のスピーチと絶賛されました。

"This is hilarious, I've got an Oscar."

という出だしで私はハートを鷲掴みにされましたよ(*≧з≦)

hilariousは、funnyよりももっと面白い時に使う言葉で、「ウケる」「爆笑」といったニュアンスです。

そして、前回お話したイギリス人ならではの表現「have got~」がここで使われています。アメリカ英語であれば「have」=「~を持っている」ですが、イギリス英語では「have got」が主流。「I've」と短縮形を用いて「I've got~」と言うのが一般的です。

つまり、彼女はスピーチの冒頭で

「ウケる!私がオスカー持ってるなんて!」

とイギリス人ならではの自虐的ユーモアで会場を沸かせたのです✨

 

そんな彼女がアン女王を演じた「女王陛下のお気に入り」。同じ作品からレイチェル・ワイズエマ・ストーン助演女優賞にノミネートされていました。

タイトルからも想像がつきますが、この2人が女王のお気に入りの座を巡って足の引っ張り合いをします。

原題は「The Favourite」。まさに「お気に入り」という意味です。

ここでスペルにまつわるお話をひとつ。

表現も単語も発音も違うイギリス英語とアメリカ英語ですが、スペルも違うことがあります。

本の学校では「favorite」という綴りで教えられていると思いますがこれはアメリカ英語。イギリス英語ではOの後にUが入ります。

他にも「colour」(英)「color」(米)や「neighbour」(英)「neighbor」(米)などがあります。

 

オリヴィア・コールマンは、痛風に悩まされ精神的にも不安定な女王をベテラン女優の貫禄で演じていました。もともとコメディ女優なので間の取り方や掛け合いの上手さは抜群です。

私はイギリス英語を話すエマ・ストーンにも注目していたのですが、思った以上にはまっていて良かったです✨

女のバトルと言ってもスピード感やドタバタ感はなく、じわじわとドロドロになっていく感じで、ダイアローグに独特の面白さがあります。

 

カツラを被ってお化粧した男性やら、ダックレース🦆にロブスターレース🦐やら、18世紀初頭のイングランドの宮廷内って本当にこんなことやってたの?と笑ってしまうところもありますが、最後は人間とは満たされない生き物なのだと痛感する作品でした。